2007 Fiscal Year Annual Research Report
フラボノイドと他食品成分の同時摂取による体内フラボノイド量と生理作用の向上機構
Project/Area Number |
19780092
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
仲川 清隆 Tohoku University, 大学院・農学研究科, 准教授 (80361145)
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Keywords | 茶カテキン / エピガロカテキンガレート / カフェイン / フラボノイド / 吸収代謝 / 抱合化 / 生理機能向上 / 高感度分析法 |
Research Abstract |
先に我々は生体内のフラボノイドの特異的かつ高感度な分析法を開発し、最近、茶カテキンの単独摂取に比べ、茶カテキンとカフェインの同時摂取により、茶カテキンのヒト血中への移行量が増加するという知見を得た。この発見から、カフェインなどの食品成分の活用により、通常は低いフラボノイドのヒト体内への移行量を高め、体内滞留時間を延長させるなどして、フラボノイドの生理作用を向上させることが可能であると考えられる。そこで本研究は"フラボノイドと他食品成分の同時摂取による体内フラボノイド量と生理作用の向上機構の解明"を目的とし、本年度は下記研究を行った。 (1)食品フラボノイドの吸収率・血中移行・体内滞留時間に影響を及ぼす食品成分群の同定では、ラットにエピガロカテキンガレート(EGCg)とカフェインを同時に経口投与し、血中EGCg量を高めるのに有効なEGCgとカフェインの摂取量比を特定した。また、ヒト試験を行い、EGCgとカフェインのある特定の摂取量において、血中EGCg濃度が高まることを証明した。 (2)食品フラボノイドと他食品成分の相互的吸収機構の解明では、体内へのEGCgの吸収にカフェインが影響を与える理由として、カフェインによるEGCg代謝(抱合化反応)への影響を動物実験で見出した。 このように、本研究は計画通り順調に推移しており、フラボノイドの生理機能向上を実現する新しい飲食物に関する基盤知見が構築できると期待される。また本研究を通じて、茶カテキンの皮膚炎症や老化の予防を示唆する知見が得られつつあり、このことに関する研究の実施も予定している。
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