2007 Fiscal Year Annual Research Report
アリール炭化水素受容体の食事性リガンドの分子制御機構と体内動態の解明
Project/Area Number |
19780098
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
福田 伊津子 Kobe University, 農学研究科, 助教 (50418943)
|
Keywords | アリール炭化水素受容体 / フラボノイド / ダイオキシン |
Research Abstract |
ダイオキシン毒性発現の初発段階を担うアリール炭化水素受容体(AhR)の食事性リガンドを探索し、その作用機構および体内動態を解明することは、食の安全性確保の観点からも重要である。本研究は、AhRの食事性リガンドの分子制御機構を解明するために、食事性リガンドであるフラボノイド類のうち、フラボン、フラボノール、フラバノン、カテキンの各サブクラスから数種の化合物を選定し、これらの化合物がAhRの活性化に関わる事象に対する影響を明らかにすることを目的とした。その結果、1.AhRのアゴニストである[3H]3-メチルコランスレンとAhRとの結合に対して、フラボン、フラボノール、フラバノンに属する化合物はこれを競合的に阻害するのに対して、カテキンは阻害しないことが分かった。また、表面プラズモン共鳴測定装置を用いて、ラット肝臓細胞質画分より粗精製したAhR複合体とフラボノイドとの相互作用を検出した。2.培養肝細胞においてダイオキシン類が誘導するAhRの核内移行に対しては、フラボンとフラボノールに属する化合物がこれを阻害した。さらに、フラボノイドのAhR複合体結合部位を解明するため、AhR複合体構成タンパク質の大腸菌内での発現精製を試みた。その結果、3.マウスAhRを大腸菌内で発現精製した場合、リガンド非依存的にDNA結合能を示したことから、リガンド応答に関わる機能が欠如していることが示唆きれた。現在、バキュロウィルス/昆虫細胞を用いたマウスAhRの発現系の構築を進めている。
|