2008 Fiscal Year Annual Research Report
アリール炭化水素受容体の食事性リガンドの分子制御機構と体内動態の解明
Project/Area Number |
19780098
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
福田 伊津子 Kobe University, 農学研究科, 助教 (50418943)
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Keywords | アリール炭化水素受容体 / フラボノイド / ダイオキシン / カテキン |
Research Abstract |
ダイオキシン毒性発現の初発段階を担うアリール炭化水素受容体(AhR)の食事性リガンドを探索し、その作用機構および体内動態を解明することは、食の安全性確保の観点からも重要である。AhRの食事性リガンドであるフラボノイドのうち、カテキンに注目し、その投与形態の違いが体内動態に及ぼす影響を解明することを試みた。(-)-エピガロカテキン-3-ガレート(EGCg)を75mg/kg体重、または同量のEGCgを含む緑茶抽出物(GTE)を454mg/kg体重となるようラットに投与し、1時間後の血中カテキンをLC-MS/MSにより定量した。その結果、EGCgのみを投与したときの総EGCgが43nMであったのに対して、GTEを投与したときの総EGCgが427nMであり、同量のEGCgを投与したにも関わらずGTE投与群で約10倍のEGCgが血中に検出された。このことは、EGCgを化合物単体で投与するより他のカテキン類との混合物として投与したときの方がその吸収率が高くなることを示している。GTE投与群では、GTE中の含量が比較的低かったのにも関わらず、(-)-エピガロカテキン及び(-)-エピカテキンが血中にそれぞれ3.4及び1.7μM検出されたことから、これらの化合物はEGCgより吸収されやすいことを示唆している。また、同じ動物個体から得た血清を用いてマウス肝腫瘍由来Hepa-1c1c7細胞に処理したところ、2, 3, 7, 8-四塩化ジベンゾ-p-ジオキシンによって誘導されるシトクロームP450 1A1の発現を有意に抑制した。
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