2007 Fiscal Year Annual Research Report
茶カテキン結合蛋白質のプロテオーム解析による生理作用発現機構の解明
Project/Area Number |
19780101
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
石井 剛志 University of Shizuoka, 食品栄養科学部, 助教 (50448700)
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Keywords | 食品因子 / プロテオーム / カテキン類 / システイン残基 / 酸化安定性 / 質量分析 / 相互作用 / 共有結合 |
Research Abstract |
緑茶の飲用による健康増進効果は、カテキン類の有する強い抗酸化活性の発見により,ひとつの化学的根拠が与えられた。一方で,多くの研究が進む過程で抗酸化活性だげでは説明できない様々な生理作用も報告されてきている。近年,_カテキン類の生理作用発現において,。蛋白質との相互作用の重要性が明らかとなったが,カテキン類と蛋白質との相互作用を簡便に検出する方法が無い為,標的となる蛋百質やカテキン類と蛋白質との結合構造などの詳細はほとんど明らかとなっていなかった。 本研究では、カテキシ類と蛋白質との結合を簡便に検出する方法として,(1)レドックスサイクリング染色法:電気泳動後にPVDF膜に転写し,膜上でニトロブルーデトラゾリウムの還元による紫色の沈殿を利用した染色法,(2)ホウ酸結合ビーズによる精製法:塩基性でカテコールと結合し,酸性で外れるビーズを利用したカテキン結合蛋白質の精製法,(3)質量分析法(MS):カテキン類と蛋白質の共有結合による質量増加およびMS/MSを利用した結合部位の特定法を構築した。これにより,培養細胞系および血清を用いたカテキン類と結合する蛋白質の検出が可能となった。また,質量分析を用いた解析により,カテキン類は蛋白質中のシステイン残基と共有結合することが明ちかとなろた。カテキン類は酸性の溶液中では安定であるが,中性から塩基性の溶液中では酸化され不安定となるが,カテキン類と蛋白質との共有結合反応は,カテキシ類が不安定な条件で効率よく進むことが明らかとなった。 以上の研究成果より,培養細胞系や血清中におけるカテキン結合蛋白質のプロテオーム解析および結合部位の解析が可能となった。これによりカテキシ類と蛋白質との相互用による生理作用発現機構の解明が期待できる。
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[Presentation] (-)-Epigallocatechin gallate regulates thiol enzyme activity by covalent binding to cysteine residues2007
Author(s)
Mori, T., Ishii, T., Tanaka, T., Mizuno, D., Kumazawa, S., Yamaji, R., Akagawa, M., Nakayama, T.
Organizer
3rd International Conference on Polyphenols and Health
Place of Presentation
京都
Year and Date
2007-11-27
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