2007 Fiscal Year Annual Research Report
ハイパースペクトルセンサーを活用したサクラ類の活力度診断手法の開発
Project/Area Number |
19780117
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
今西 純一 Kyoto University, 地球環境学堂, 助教 (80378851)
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Keywords | リモートセンシング / 緑化工学 / 樹木医学 / 造園学 / ソメイヨシノ / ヤマザクラ / 活力度 / 衰退 |
Research Abstract |
サクラ類は日本を代表する花木であり、サクラ並木として整備され観光名所となっている場所も多い。しかし、終戦直後に植栽された全国のサクラ並木は衰退期に入っているとの見方もある。木を適切に管理するためにも、衰退を客観的に診断できる手法の開発は必須である。本研究は、サクラ類に特化した活力度診断指標の開発を行うことを目的とした。本年度は以下の測定、分析を行った。 京都市内の緑地において、ソメイヨシノとヤマザクラの典型的な良好木・衰退木を各14本ずつ選定し、分光放射計を用いて、2007年6月から10月まで約3週間から1ケ月ごとに計6時期に、スペクトルを測定した。また、サンプル個体の基礎データ(樹齢クラス、4ランク評価法の活力度診断項目、その他活力度に関する項目(樹液流速度、幹周の日内変動等))を収集した。葉の反射スペクトルに、樹木の活力度の他、樹齢クラス、葉の付いている枝の方位が影響しているかどうかを検討するため、各波長帯において線形モデルによる分散分析を行った。その結果、ソメイヨシノの葉の反射スペクトルと7月以降のヤマザクラの葉の反射スペクトルには、樹木の活力度のみが有意な影響を与えていたこと、葉の付いている枝の方位の有意な影響は見られなかったことなどが明らかとなった。また、4ランク評価法に基づき典型的な良好木・衰退木とみなされた個体において、蒸散活動と関連のある樹液流速度や幹周の日内変動を調べた結果、これらに差異が見られ、生理的にも良好木・衰退木の差異が見られることが明らかとなった。
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