2008 Fiscal Year Annual Research Report
半数体組織を利用した、針葉樹集団における遺伝的動態の解明
Project/Area Number |
19780131
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
岩泉 正和 Forestry and Forest Products Research Institute, 林木育種センター遺伝資源部・保存評価課, 研究員 (50391701)
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Keywords | 雌性配偶体 / 遺伝子流動 / アカマツ / 種子散布 / 花粉飛散 |
Research Abstract |
1. アカマツ天然集団における5年間の林分構造の推移(岩泉ほか2009) 天然集団における遺伝的動態の把握に先立ち、当集団内に設定した林木遺伝資源モニタリング試験地(0.28ha)において、2001年〜2006年の5年間での林分構造の変化を解析した。優占樹種であるアカマツの生育本数密度は5年間で646.4本/haから582.1本/haへと約1割減少し、年平均枯死率は2.1%とやや高い割合で推移した。アカマツ個体の枯死が見られたサブプロット群(D群)と見られなかった群(S群)間で樹木個体の成長を比較したところ、D群においてアカマツ1個体当たりの胸高断面積の増加率が大きかった一方で、他の樹種の増加率には群間で有意差は見られず、現時点では、他の樹種の成長に対するアクマツの枯死の影響は見られなかった。 2. アカマツ天然集団における5年間の遺伝子流動(Iwaizumi et al. 2009) 上記集団において、花粉飛散と種子散布の両者を介した遺伝子流動やその遺伝的寄与、年次変化を把握するため、2003年〜2007年の5年間で採取された自然散布種子(計1,709種子)を対象に、胚と雌性配偶体(種子親由来の半数体組織)の組織別にDNA分析を行い、正確な両由来親の特定解析を行った。散布種子数は5年間で57.6個/m^2(2006年)〜318.0個/m^2(2003年)の間で変化し、2003年が結実の豊作年であった。調査地内で由来親が特定されず、100m以上の飛散・散布距離と推定された種子は、花粉親では5年間で63.3% (2004年)〜72.3%(2003年)であったのに対し、種子親についても17.7%(2005年)〜25.7%(2003年)であり、花粉飛散だけでなく種子散布も介した活発な遺伝子流動が5年間を通じて観察された。また、集団外からの遺伝子流動は花粉親・種子親ともに2003年で大きく、豊作年でのより大きな遺伝的寄与が示唆された。
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Research Products
(4 results)
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[Presentation] Paternal and maternal gene flow, their genetic contributions, and temporal variations of Pinus densiflora dispersed seed populations during five years2009
Author(s)
Iwaizumi, M.G., Takahashi, M., Watanabe, A., Miyamoto, N., Yano, K. and Ubukata, M.
Organizer
第120回日本森林学会大会
Place of Presentation
京都市(京都大学)
Year and Date
2009-03-27