2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19780136
|
Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
市浦 英明 Kochi University, 農学部, 准教授 (30448394)
|
Keywords | 機能紙 / 界面重合法 / マイクロカプセル |
Research Abstract |
本研究では、"紙表面上のナノ界面制御"をキーワードに、紙の表面機能化を試みた。ナノ界面制御とは、紙表面上に形成したナノ界面領域を利用して、紙表面上で機能材料の合成と定着を同時に行う手法である。 本年度は、エチレンンジアミンと二塩化テレフタロイルを用いて、ナイロン膜がマイクロカプセル状になる現象の解明を試みた。有機溶媒としてシクロヘキサンを用いることにより、マイクロカプセル状ナイロン膜が生成する。検討項目として、反応時間および基材がマイクロカプセル状ナイロン膜の形態に及ぼす影響を検討した。基材としてろ紙、エチレンジアミン濃度は25%、有機溶媒としてシクロヘキサンを用いて界面重合反応を行い、反応時間は1分-24時間で行った。反応時間が1分の場合、マイクロカプセルの径は、2〜2.5μmに対し、反応時間が10分以上のマイクロカプセルの径は約4-5μmであった。このことから、反応時間が長くなるにつれ、マイクロカプセルの径は大きくなり、10分経過するとマイクロカプセルの径は変化しないと考えられる。 基材がナイロン膜の形態に及ぼす影響を検討するために、ろ紙および不織布を用いた。実験条件は、有機溶媒としてシクロヘキサン、エチレンジアミン水溶液濃度は25%、反応時間1時間で行った。不織布を用いた場合、形成したマイクロカプセルの数がろ紙の場合と比較して、多く確認された。本実験の結果、基材の違いにより、その生成数が変化することが分かった。これらの結果より、ろ紙と不織布の表面構造因子や孔径の違いのような物理的な性質が一因であると考えられる。また、親水性であるろ紙と疎水性である不織布といった化学的な性質もまたそのような結果を引き起こした原因と推測される。これら物理的、化学的因子の差異により、基材の表面張力が変化したことから、形状が変化したと考えられる。
|
Research Products
(8 results)