2008 Fiscal Year Annual Research Report
地震時の木造住宅の倒壊過程シミュレーション手法の開発
Project/Area Number |
19780140
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Research Institution | Building Research Institute |
Principal Investigator |
中川 貴文 Building Research Institute, 材料研究グループ, 研究員 (60414968)
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Keywords | 木造住宅 / 振動台実験 / 個別要素法 / 倒壊解析 / 地震時応答解析 / 在来軸組構法 |
Research Abstract |
研究実績についてサブテーマごとに述べる (1)シミュレーション手法の開発 解析モデルにおける軸材は、昨年度のモデルを改良して、端部に塑性ヒンジを有する梁要素でモデル化し、木材の折損による破壊過程をより詳細にモデル化を行った。接合部は回転バネと引張・圧縮の合計6自由度を持つバネ要素によってモデル化し、柱脚の引き抜け、足元の滑りなど詳細な挙動をモデル化できるように拡張した。また、合板、筋かいなど補強用部材のモデル化を行い耐震補強の効果を検討できるモデルとした。外装材は、プレース置換によるモデル化で簡素化を行い、計算負荷の低減を行った。インターフェースの表示に関しては部材をソリツド要素・線画で視覚化し、より視覚的に現実感を持たせることができた。 (2)接合部、部材の強度実験データ収集 文献調査によって、各種合板耐力壁、筋かい耐力壁の荷重変形関係を得ることができた。得られた強度データは荷重変位関係を上記の倒壊解析プログラムにパラメータとして入力することで、耐震補強を実施した既存木造住宅の倒壊シミュレーションを行うことが可能となった。また布基礎の曲げ試験から無筋布基礎と耐震補強を実施した布基礎の基礎的な実験データを得ることが出来た。 (3)実験との比較による検証、改良 平成17、18年度にE-ディフェンスで行われた補強・無補強の既存木造住宅の震動台実験の倒壊シミュレーションを昨年度に引き続き行った。JR鷹取100%入力によって無補強試験体が倒壊した実験では、同条件の地震動入力で数値解析を行った結果、補強した住宅は、損傷は大きかったが倒壊せず、無補強の住宅が倒壊するという震動台実験と同様の結果が得られた。
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