2008 Fiscal Year Annual Research Report
海苔の成熟過程におけるアクチンの役割と分子マーカーとしての応用
Project/Area Number |
19780141
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
北出 幸広 Hokkaido University, 大学院・水産科学研究院, 特任准教授 (90399999)
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Keywords | 海苔 / スサビノリ / 成熟 / アクチン / 分子マーカー / 紅藻 / 遺伝子ファミリー / 有性生殖 |
Research Abstract |
海苔養殖技術は浮き流し式システムや冷凍網の開発等により確立されてきた一方で、生産者は現在も海況の変化、藻体の成熟、色落ち、病気等によるノリの収量や質の低下、漁期の短縮等の問題を抱えている。成熟の進んだノリ葉状体の収穫は、海苔製品の質を低下させるが、海面養殖でノリの成熟時期を予測することは実際上難しく、かつ成熟をモニターする有効な手段は顕微鏡観察以外にはないのが現状である。本研究は、ノリの成熟過程におけるアクチンの役割を明らかにするとともに成熟をモニターする分子マーカーとしての応用を課題としている。本年度は、昨年度分子マーカーとしての有効性が示されたPyACT3遺伝子に対して詳細な発現解析を行った。具体的には、成熟個体の先端部と基部を切り分けたサンプルを用いたノーザン解析を行うことにより、部位による発現量の偏りがほとんど見られないことが明らかになった。また、昨年度明らかにした4種類(鯉CT1〜4)のcDNAに対応するゲノム塩基配列の決定を行い、イントロンに関するデータを取得した。さらに、ノリ糸状体由来のRNAを対象としてdegenerate PCR法によるアクチン遺伝子の探索を試みたが、上記4種類以外の新規なものは見つからなかった。本年度得られた結果は、PyACT3遺伝子の葉状体成熟の分子マーカーとしての有効性を支持した一方で、葉状体成熟の結果として起こる糸状体の混入を検出するタイプの分子マーカー候補は見つからなかったことを意味する。
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Research Products
(2 results)