2007 Fiscal Year Annual Research Report
借腹生産の効率化に向けた始原生殖細胞の性質に関する研究
Project/Area Number |
19780142
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
斎藤 大樹 Hokkaido University, 大学院・水産科学研究院, 博士研究員 (90396309)
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Keywords | 始原生殖細胞 / SPT法 / ゼブラフィッシュ / 生殖系列キメラ / 生殖腺形成 |
Research Abstract |
今年度は単一PGCsを移植する「SPT法」により、生殖腺に定着した後のPGCsがどのように増殖し、配偶子形成に寄与するか解析した。実験は大きく2つに分けられる。 1.生殖腺到達後のPGCsの動態 GFP-nosl 3'UTR mRNAの顕微注入により可視化されたゼブラフィッシュのPGCsは、2週間ほどGFP蛍光を維持することが明らかとなった。このPGCsを経時的に観察することにより、生殖腺形成域に定着したPGCsがどの段階で増殖するのかを観察した。その結果、受精後7〜9日で生殖腺に定着したPGCsが増殖することが明らかとなった。また、SPT法で移植したPGCsもこの期間に増殖した。各PGCsの増殖率に大きな違いはないものと思われた。 2.単一PGCの配偶子形成への寄与率 SPT法により移値された一個のPGCが、生殖腺上でどのように増殖し、配偶子形成に寄与したかを調べた。野生型由来のPGCをSPT法により色素欠損系統の胚へ移植した。このキメラは、自らの50個ほどのPGCsに加え、1個の野生型PGCを持つことになる。野生型のPGCがどの程度生殖腺中で増殖し、配偶子形成に寄与しているかは、キメラと色素欠損個体との交配実験を行うことにより推察することができた。すなわち、移植された野生型に由来する配偶子の子孫は野生型の表現系を呈する。その割合を調べた結果、各PGCに由来する配偶子の割合は0〜45%と大きく差ができた。この結果は各PGCsが均一な増殖を行わない可能性を示唆した。
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