2007 Fiscal Year Annual Research Report
ITQ制度におけるレントの配分と漁業参入制限への影響
Project/Area Number |
19780152
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
大西 学 Ritsumeikan University, 政策科学部, 講師 (00425018)
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Keywords | 政策研究 / 農林水産物 / 水産学 / ITQ制度 / レント |
Research Abstract |
本研究の目的は、レントの扱いに焦点をあて、ITQ制度の理論と実際の制度設計の乖離を明らかにした上で、本制度の妥当性を経済的な観点から評価し、さらに本制度が異なる市場価値を持つ各魚種に対して実効性のある漁獲管理として機能しうるのか検証することである。 本申請研究の特色は、これまで測定が困難とされてきたレントの推計金額を算出することで、ITQ制度における漁業管理費用と漁業便益を比較できる貨幣的根拠を提示できること、またこの成果から国民と漁業者間のレント配分に対する基礎的情報を提供できること、の2点にある。さらに、市場で取引されない魚種においても、レントの把握を通じて資源保全性への影響に迫ることが可能である。 これを達成するために三つの個別課題を設定し、その個別課題にしたがって達成すべき作業計画を各年度で立案している。本研究で設定する個別課題は以下の三つである 課題i.ITQ制度下の参入制限とレント回収比率における「理論段階」と「制度設計」との乖離 課題ii.レント回収による漁獲管理費用の補填可能範囲 課題iii.魚種別水域毎の漁獲制限の実効性に対する市場価値の影響 本年度おいては、課題iiに関して、ITQ制度導入によって生じるレントによる漁業関連の行政費用の補填可能性を検証し、現在論文に投稿、審査中である。また、ニュージーランドの現地調査として水産省をはじめとする関係諸機関を訪問し、課題iとiiiに必要な基礎資料を収集するとともに、インタビュー調査を実施した。
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