2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19780155
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Research Institution | Fisheries Research Agency |
Principal Investigator |
森田 健太郎 Fisheries Research Agency, 北海道区水産研究所亜寒帯漁業資源部, 研究員 (30373468)
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Keywords | サケ科魚類 / 野生魚 / 個体群動態 / ベーリング海 / 成長 / 生息密度 / 水温 / 自然産卵 |
Research Abstract |
ベーリング海でのモニタリングデータを用いて,沖合域でのサケ科魚類の成長・肥満度を規定する生物的・物理的要因を分析した。天然魚が主体であるカラフトマスについては個体群動態モデルを構築し,他種および自種の個体群密度がカラフトマスの成長および個体群増加率に及ぼす影響について分析した。カラフトマスの成長はサケの個体群密度に影響を受けること,カラフトマスの個体群増加率は自種の成長条件に影響を受けることが分かった。また,海洋におけるサケ科魚類の成長を規定する要因として水温は重要であると考えられるが,成長条件を最大化する水温は体サイズに依存して変化することが分かった。大型魚ほど成長率を最大化する水温が低かったことから,地球温暖化等による気候変動はとくに大型魚の成長を低下させることが考えられた。 河川の環境収容力を調べるための予備的調査として,釧路近郊を流れる庶路川13支流および稚内から能登半島まで流れる11河川においてサケ科魚類の生息密度調査を行い,釧路近郊を流れる音別川ではサケ科魚類が生息しない5地点にアメマス当歳魚の移植実験を行った。データ数が多いサクラマス幼魚について,河川間および支流間の成長・肥満度を規定する要因を分析した結果,水温と生息密度が有意な説明変数として選択され,沖合域と同様の要因が考えられた。なお,当該年度に計画していた尻別川におけるサクラマス親魚調査は,サクラマス親魚の遡上が遅れたことから,ふ化場余剰親魚が少なく実施できなかった。
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