2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19780156
|
Research Institution | Fisheries Research Agency |
Principal Investigator |
岡村 寛 Fisheries Research Agency, 遠洋水産研究所・外洋資源部, 主任研究員 (40371942)
|
Keywords | 水産資源学 / 水産資源管理 / 数理モデル / 鯨 / 目視 |
Research Abstract |
本研究では,統計技法を使用して,南氷洋ミンククジラの個体数をより精度良く推定する方法を開発した.この方法では,目視発見による記録の誤差,さまざまな不均一性の要因がモデルの中に取り込まれ,また従来の方法で必要とされた仮定を必要とせず,より高精度の個体数推定を達成することが期待される.国際捕鯨委員会(IWC)より提供を受けた南氷洋ミンククジラのシミュレーションデータや独自に作成したシミュレーションデータを使用して,新しく開発した南氷洋ミンククジラ個体数推定法の頑健性の確認と方法の更なる改良を行った.さらに改良・開発したモデルをIWCから提供を受けた南氷洋ミンククジラの実際の目視データに当てはめることにより,偏りの小さい南氷洋の個体数推定値を得た.その結果,従来の方法で知られているよりも,個体数の変動は小さいことが明らかになった.これらの結果は,南氷洋のミンククジラの評価とともに,南氷洋生態系の評価に対する基礎情報となる.個体数推定値や診断結果,シミュレーション結果を国際捕鯨委員会科学委員会に提出し,高い評価を得た.また,個体数推定法から派生した生息地選択法に関する論文投稿を行い,Journal of Agricultural, Biological, and Environmental Statisticsにおいて論文が出版された.さらに,目視による個体数推定値を基礎情報となる管理方法の頑健性を調べた結果をFisheries Science誌に投稿し採録された.
|