2007 Fiscal Year Annual Research Report
紅藻スサビノリの環境(栄養・温度)応答の分子機構の解明
Project/Area Number |
19780160
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
柿沼 誠 Mie University, 大学院・生物資源学研究科, 准教授 (60303757)
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Keywords | 紅藻 / スサビノリ / 環境応答 / 窒素トランスポーター / 生殖細胞 / 窒素同化 / cDNAクローニング / 細胞分化 |
Research Abstract |
紅藻スサビノリ葉状体の窒素取込み・同化に重要な役割を果たすと考えられる硝酸イオントランスポーター(NRT),アンモニウムイオントランスポーター(AMT),尿素トランスポーター(UT),硝酸レダクターゼ(NR),亜硝酸レダクターゼ(NiR),14-3-3タンパク質のcDNAクローニングを行った.その結果,NRT及びAMTについてはそれぞれ,479及び483アミノ酸残基をコードするcDNAが得られた.一方,UT及び14-3-3タンパク質については異なる演繹アミノ酸配列をコードする2種類のcDNAが得られ,UTの場合は740及び680アミノ酸残基をコードするUT1及びUT2 cDNA,14-3-3タンパク質の場合は260アミノ酸残基をコードする14-3-3-Pl及び14-3-3-P2 cDNAが得られた.なお,NR及びNiRの全一次構造は決定できなかったが,NRについては798アミノ酸残基,NiRについては552アミノ酸残基をコードするcDNAを得ることができた.天然海水(溶存無機態窒素:DIN=140μg/L)500mLに対してスサビノリ葉状体(平均10cm)5枚を室内培養して色落ちを誘導させたところ,培養開始24時間後に海水DINが最小値(約10μg/L)となり,96時間後に藻体の色落ちが認められた.また,スサビノリ葉状体の成熟応答に関与することが示唆されているheat shock protein (HSP) 82, HSP90, mitogen-activated protein kinase (MAPK), SNF1-related protein kinase (SNF1-PK)及びGタンパク質のcDNAクローニングを行い,各分子はぞれぞれ757,887,387,417及び203アミノ酸残基からなることを明らかにした.
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