2008 Fiscal Year Annual Research Report
二枚貝キャッチ筋におけるミオシン・アクチン・トゥイッチンの結合機序の解明
Project/Area Number |
19780161
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
舩原 大輔 Mie University, 大学院・生物資源学研究科, 准教授 (00335150)
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Keywords | トゥイッチン / ミオシン / アクチン / キャッチ収縮 / リン酸化 |
Research Abstract |
平成19年度には二枚貝キャッチ筋の張力維持が, 収縮タンパグ質であるミオシン, アクチントゥイッチンが複合体を形成することに起因する可能性を示した。本年度はさらに詳細に分子メカニズムを明らかにするために, トゥイッチンD2リン酸化部位の構造変化について解析を試みた。大腸菌を用いてトゥイッチンD2リン酸化部位の組換え体(TWD2-S)を作製した。TWD2-Sとそれをチオリン酸化したS-TWD2-SをCBB存在下でネイティブPAGEに供したところ, TWD2-Sの移動がS-TWD2-Sに比べてわずかに早いことが分かった。また, BRET法によりTWD2-Sの立体構造変化を検出するために, TWD2-SのN末端にGFPをC末端にルシフェラーゼを結合させた組換え体を作製した。BRET解析によってTWD2-Sが非リン酸化状態とリン酸化状態で構造を変化させている可能性が示された。次に, キャッチ筋ミオシンとトゥイッチンの結合状態についてさらに詳細に分析するための情報を得るためにミオシンS1領域の解析を行った。未決定であった領域の塩基配列を決定し, ミオシンの全一次構造を決定した。ミオシン・アクチン・トゥイッチン複合体の結晶構造解析を行うため, ミオシンS1の発現を目指した。すなわちコムギ胚芽無細胞タンパク質合成系で発現させるための発現ベクターを構築した。発現条件について検討中である。以上の結果, ミオシン・アクチン・トゥイッチン複合体の結合と解離がトゥイッチンD2リン酸化部位周辺の構造変化によるものである可能性が示唆されたとともに, 複合体構造解析に必要な情報が得られた。本研究の結果, キャッチ収縮の分子メカニズムの一端が明らかとなった。
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