2009 Fiscal Year Annual Research Report
畜産衛生政策普及プロセスにおける社会環境要因の果たす役割
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19780164
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
細野 ひろみ Kyoto University, 農学研究科, 准教授 (00396342)
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Keywords | ベトナム / 食品衛生政策 / 畜産衛生政策 / 参加型開発 / 普及プロセス |
Research Abstract |
2009年度の目的は,畜産・食品衛生政策の国レベルでの整備が進む中,地方レベルでは政策の普及史実施状況に差が認められる点について,成功事例と失敗事例を比較することで要因を探ることと,得られた知見の現地への還元であった。 ゲアン省ヴィン市において2000年以降屠畜場の整備(集中化)が進められてきたにもかかわらず,2009年までにそのほとんどが閉鎖されるに至った経緯について,集中化に成功してきたフエ市の状況と比較分析するために,現地獣医局,屠畜業者,小売業者へのヒアリング調査を行った。得られた知見の現地への還元については,2009年12月にフエ大学において帯広畜産大学と合同セミナーを開催し,現地獣医師や獣医局職員,研究者とともに意見交換を行った。 屠畜場整備計画の成否には,都市計画における衛生政策の位置づけや優先順位,行政システムにおける獣医衛生担当局の位置づけ,流通システムの歴史的発展経緯と枝肉市場の存在,屠畜場の経営主体,動物の集荷範囲と屠畜規模,ホテルや外食需要(観光)ニーズ,屠畜場の設計と利用方法,自宅における屠畜スペースの確保可能性など多様な要因の関与が認められ,屠畜業者が集中屠畜場を利用することのメリットを認識できるかどうかが鍵となっている。一方で,屠畜場集中化の成否が流通システムの発展(卸売業者の大規模化,効率化,生産者-卸売業者-仲買・小売業者との関係性の変化)要因ともなっている。屠畜場集中化の成功条件と流通システムの展開との関係について公表に向けた整理をすすめている。
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Research Products
(2 results)