2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19780167
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
工藤 貴史 Tokyo University of Marine Science and Technology, 海洋科学部, 准教授 (00293093)
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Keywords | 水産政策 / 条件不利地域 / 多面的機能 |
Research Abstract |
本研究は、日本における条件不利地域漁業の実態から問題構造を分析し、当該漁業の今後の発展方向とそれを実現するための政策課題および施策手法について明らかにすることを目的としている。なお、本研究で対象とする条件不利地域漁業は、離島漁業(流通条件不利・労働力条件不利)、内水面漁業(自然条件不利・市場条件不利)、干潟漁業(自然条件不利)の3つである。具体的な調査事項は、地域の自然的・社会的・経済的特徴の把握、地域産業構造の把握、地域漁業の生産構造・流通構造・就業構造の把握、個別漁家の操業内容の変遷、地域漁業の条件不利性の把握、支援施策の現状と評価、地域漁業の展望と政策課題の検討である。本年度は以下の通り実施した。(1) 先行研究のレビュー : 農業経済学、地域経済学における条件不利地域問題に関する研究業績をレビューした。また、条件不利地域の政策については、中山間地域政策論が先行しており、かつ活発に政策が展開されていることから、農業政策・地域政策論における研究業績をレビューした。農業と漁業における条件不利概念の違いについて明らかにした。(2) 事例調査 : 事例調査は、離島漁業3地点(東京都三宅島、神津島、岡山県笠岡諸島)、内水面漁業2地点(茨城県霞ヶ浦、滋賀県琵琶湖)で実施した。これらの事例調査では、地域漁業の展開過程・現状・施策実施状況等から、当該漁業の条件不利性とその問題構造について明らかにし、その発展方向と政策課題について検討した。(3) 研究の取りまとめ : 先行研究のレビューと事例調査の結果に基づいて、条件不利地域漁業の望ましい発展方向を明らかにし、そのうえで条件不利克服や漁業の維持・発展か向けた施策手段と財政手段について検討した。
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