2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19780184
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Research Institution | Research Institute for Humanity and Nature |
Principal Investigator |
林 直樹 Research Institute for Humanity and Nature, 研究部, プロジェクト研究員 (50446267)
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Keywords | 過疎地 / 集落移転 / 人口推計 / 定年帰農 / 二地域居住 / ボランティア / 道路 / 医療 |
Research Abstract |
(1)過疎地集落の維持と荒廃の分水嶺についての文献調査を行った。五つの文献を取り上げて,それぞれの問題点を検討した結果,維持の条件として,戸数5戸以上(橋詰氏の文献より)が有力と考えた。(2)集落単位の人口推計について検討を行い(コーホート変化率法における仮定値など),それが可能だということを明らかにした。(3)過疎地集落の状況と現在の対策について,農水省,兵庫県,兵庫県養父市の担当者から話を聞いた。過疎地の状況は深刻だが,現時点において,いずれも集落移転には消極的だということがわかった。(4)兵庫県養父市の過疎集落について現地視察を行った。がけ崩れや家屋の状況などを確認した。(5)集落移転以外の過疎地対策として,二地域居住と定年帰農を取り上げ,それらが「つなぎ」にしかならないことを明らかにした。前者は長くても,50年程度しか持続せず,後者には高齢化が早まるという副作用がある(京都府)。(6)集落の移転先について,京都府北端部の北近畿タンゴ鉄道沿線を事例として,現地踏査などを行い,(移転に)適した場所が五つ存在することを明らかにした。(7)これまでの集落移転事業の効果と問題点について明らかにした。(8)集落移転以外の過疎地対策として,都市住民のボランティアによる維持を取り上げ,その効果が限定的なものということを明らかにした。(9)行政(財政)へのメリットとして,道路縮退による維持費軽減効果を取り上げ,京都府旧M町を事例に(金額の)試算を行った。(10)過疎地の医療について調べて,その状況の深刻さを明らかにした。
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Research Products
(3 results)