2008 Fiscal Year Annual Research Report
施肥窒素の溶脱抑制を目的としたバイオマス資材による土層改良手法に関する研究
Project/Area Number |
19780185
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Research Institution | National Agricultural Research Organization |
Principal Investigator |
亀山 幸司 National Agricultural Research Organization, 農村工学研究所・農地・水資源部・農地工学研究室, 研究員 (90414432)
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Keywords | バイオマス / 炭化 / 硝酸溶脱 / 溶質移動 / 吸着 / 水分特性 / モデル / バガス |
Research Abstract |
本研究課題は,保水能・保肥能が乏しい土壌を対象として,施肥窒素の溶脱抑制効果の高いバイオマス資材の混入条件の解明を目的としている.そこで,今年度は,保水能・保肥能が乏しい島尻マージ土壌対してバガス炭化物(サトウキビの圧搾残渣を炭化したもの)を混入した場合の不飽和透水特性,保水性,窒素吸着特性に及ぼす影響の解明および炭化物混入土壌中の硝酸態窒素移動の測定を行った.その結果は,下記の通りである. 1.炭化物のアンモニウム吸着能と土壌のアンモニウム吸着能はほぼ同等であった.このため,炭化物の混入によって土壌のアンモニウムイオン吸着能が向上する見込みは殆どないことが考えられた. 2.700℃以上での炭化物では硝酸イオンの吸着が発現した.一方,700℃未満での炭化物は硝酸イオン吸着が殆ど発現しなかった.このため,700℃以上での炭化物の土壌への混入により,土壌の硝酸イオン吸着能を向上させる可能性が考えられた.また,800℃で炭化された炭化物で最も大きな吸着量を示したため,800℃で炭化された炭化物の混入が硝酸態窒素溶脱の遅延に対して最も効果的と考えられた. 3.炭化物を土壌に添加した場合,硝酸イオン吸着能は混入した割合分だけ向上することが明らかとなった. 4.炭化物による保水力向上効果及び水移動遅延効果は,400℃<600℃<800℃であった. 5.1wt%以下の混入率では,保水力向上効果や水移動遅延効果は殆ど発現せず,3wt%以上の混入がこれらに対して効果的と考えられた.
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Research Products
(7 results)