2008 Fiscal Year Annual Research Report
傾斜地畑における環境保全型施肥管理を行うためのシミュレーション最適化モデルの開発
Project/Area Number |
19780194
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
竹内 潤一郎 Kyoto University, 農学研究科, 助教 (20362428)
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Keywords | 精密農業 / 地形連鎖 / 数値モデル / 最適施肥設計 / 窒素動態モデル / 灌漑スキーム |
Research Abstract |
(1)土壌パラメータの同定と各種反応係数, 肥料の溶解係数の同定 対象地とした愛知県三好町の畑土壌の土壌水分特性を表すMualen-van Genuchtenモデルのパラメータの同定を行うために, 複数深度(10cm, 20cm, 30cm)に土壌水分計とテンシオメータを設置し, 得られた観測データを用いてパラメータを同定した. また, (1)施肥あり・作物あり, (2)施肥あり・作物なし, (3)施肥なし・作物なしの条件のもと, 複数深度(10cm, 20cm, 30cm)からの土壌水を定期的に採取し, 硝酸とアンモニアの濃度を測定した. そのデータを利用して, 土壌内の反応係数や肥料の溶解係数をシミュレーションモデルを用いて試行錯誤的に同定した. (2)水と土壌の圧縮性を考慮したmixed-form Richards式を用いた数値モデルの開発 畑地土壌の数値計算において, 一般に使用されているモデルは, 基本的に不飽和土壌を対象としており, 粘土層などの難透水性の地層上に発生する飽和側方流を扱うのは困難であるため, 水と土壌の圧縮性を考慮したシミュレーションモデルを開発した. 支配式はmixed-formRichards式を基礎としており, 水の質量保存に関しても満たされているモデルである. (3)施肥計画の策定と施肥実施に関する意思決定問題の定式化 過去の気象データと作物の栄養吸収パターンから, 溶脱量と貧栄養状態を最小化する施肥日を決定する従来の施肥計画策定モデルに加え, 計画施肥目の前後1週間において, 短期・中期天気予報を活用して実際に施肥を実施する日と灌漑量を決定する意思決定支援モデルを開発した. このモデルにより, 施肥計画通りに施肥を行った場合に比べ, さらに溶脱量を削減できることを示した.
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Research Products
(3 results)