2009 Fiscal Year Annual Research Report
ポジトロンイメージングによる根粒-植物の共生システムの解明
Project/Area Number |
19780196
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
石井 里美 Japan Atomic Energy Agency, 量子ビーム応用研究部門, 研究員 (10391286)
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Keywords | 窒素固定 / ダイズ / 根粒 / 13N標識窒素ガス / ポジトロンイメージング |
Research Abstract |
根粒菌による窒素固定は、マメ科植物にとって重要な窒素源であるとともに、子実の収量を左右する重要な生理機構である。窒素固定のイメージング及び固定窒素の二次元分布に関する情報の取得が難しかったため、固定窒素の輸送や集積にっいては不明な点が多い。 そこで本研究では^<13>N_2ガスおよびPETIS(positron-emitting tracer imaging system)を用いてダイズ植物における固定窒素の分布をイメージングし、根粒で固定された窒素の輸送について定量的に評価することを目的とした。 イメージングに適した^<13>N標識窒素ガスの製造法を開発した。CO_2にプロトンビームを照射した後のガスをガスクロマトグラフィーを用いて精製かつ分取し、高純度かっ短時間での^<13>N標識窒素ガスの取得を行った。さらに、分取したガスに根粒や植物の活性を考慮した一定の酸素、窒素をまぜて、ガスの組成を調製した。さらに、このガスを効率よく根粒形成したダイズ植物個体の地下部に与える方法を確立して、根粒に固定される窒素をPETISにより非侵襲的にイメージングした。結果、根粒の位置に明瞭な^<13>Nシグナルが認められ、窒素固定をイメージングすることができた。さらに得られたイメージングデータから窒素固定速度を定量することに成功した。 本研究によりダイズが生きたままで窒素固定をイメージングし、定量することが可能になった。これにより、栽培条件に応じた窒素固定、固定された窒素の輸送を解析し、ダイズの安定した供給につなげることが期待できる。
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Research Products
(4 results)