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2009 Fiscal Year Annual Research Report

新規牛導入時における社会的混乱期間の短縮

Research Project

Project/Area Number 19780199
Research InstitutionShinshu University

Principal Investigator

竹田 謙一  Shinshu University, 農学部, 准教授 (90324235)

Keywords家畜管理 / 家畜行動 / 家畜福祉 / 親和行動 / 敵対行動 / ウシ
Research Abstract

ウシは,群再編時に多発する敵対行動により,多大な社会的ストレスを受ける。これまでの研究成果から,敵対行動の発現頻度が少なく,親和行動の発現頻度が多い特徴を持つ個体の存在を明らかにしてきた。親和行動の発現は,オキシトシンによる作用を受けると考えられているため,オキシトシンの投与がウシの敵対行動,親和行動頻度に及ぼす影響を調べた。
7頭からなる2つの育成牛群内における社会行動を1日6時間連続観察し,それぞれ延べ90時間の行動観察から,親和行動多発(AA牛)および少発個体(AP牛)を2頭ずつ抽出した。そして,両タイプの供試牛に1頭あたり30単位のオキシトシン注射剤を筋肉注射し,注射後6時間の社会行動を連続観察した。
両タイプとも,オキシトシン注射による顕著な効果は認められなかった。そこで,異なる牛群から抽出されたAA牛同士を組み合わせることによって,群再編時における敵対行動軽減効果をAP牛同士の組合せと比較した。その結果,予想とは異なり,AA牛同士の群再編時における顕著な親和行動の増加傾向,敵対行動の減少傾向は認められなかった。例数は少なかったが,AA牛はAP牛に比べて,社会行動の発現頻度が8倍多かった。特に,AP牛(270秒)に比べてAA牛(12秒)における敵対行動潜伏時間は長かった。
以上のことから,社会的特性の類型化により分類された親和的積極型個体は,親和行動に特化した社会的特性だけでなく,敵対行動も含めた社会行動全般に積極的な特性を抱合していたものと考えられた。また,オキシトシン注射による顕著な差が認められなかった理由として,例数の少なさに加え,生体内におけるオキシトシンの作用が末梢ではなく,上部レベルで機能しており,単純なオキシトシン注射液の末梢レベルでの作用は,ウシの行動を変化させるには至らないものと考えられた。

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Published: 2011-06-16   Modified: 2016-04-21  

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