2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19780202
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
霍田 真一 University of Miyazaki, 農学部, 助教 (40381090)
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Keywords | シバ / Zoysia / マイクロサテライト / SSR / 遺伝的多様性 / 遺伝資源 / 飼料 / 葉緑体DNA |
Research Abstract |
本研究はシバ属遺伝資源の種内および種間における遺伝的変異性を明らかにするため、昨年度選抜したシバ(Z.japonica)、コウシュンシバ(Z.matrella)およびコウライシバ(Z. tenuifolia)の3種170系統を対象として、シバから開発した核および葉緑体ゲノム由来マイクロサテライトマーカーによる多型解析を行った。24種類の核ゲノム由来マイクロサテライトマーカーを用いてシバ属全3種のPCRを行った結果、20種類のプライマー対において明瞭な増幅産物が得られた。シバおよびコウシュンシバでは全20プライマー対で多型が認められ、コウライシバでは19プライマー対が多型を示した。得られた増幅断片を基に系統樹を作成したところ、供試系統は概ね種によって異なる分類群を形成した。特に、コウライシバ系統で構成される分類群は収集した地域ごとに細分化することができ、各地域における集団の遺伝的分化が大きいことが明らかとなった。また、コウシュンシバおよびコウライシバはその地理的分布を反映して近い類縁関係を示した。 一部のコウシュンシバ系統については同一グループに分類されなかった。これらのコウシュンシバ系統は、15種類の葉緑体ゲノム由来マイクロサテライトマーカーによる解析から、他のコウシュンシバ系統とは異なるハプロタイプであることが判明し、分布域が近いシバまたはコウライシバ系統と同じ葉緑体ゲノム領域を持つことが認められた。これらの系統は形態的特性においてもシバまたはコウライシバとの中間的な特性を示すことから、コウシュンシバ系統の中には自生地での自然交雑による種間雑種が含まれることが示唆された。
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