2009 Fiscal Year Annual Research Report
肉用鶏におけるストレス感受性の品種間差と発育環境による影響についての研究
Project/Area Number |
19780203
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
伊藤 秀一 Tokai University, 農学部, 講師 (60425577)
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Keywords | 肉用鶏 / 地鶏 / ストレス / 動物福祉 / 環境エンリッチメント / 行動 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度に引き続き、在来鶏とブロイラーのストレス感受性に関する品種間差を、主に行動学的手法を用いて明らかにしつつ、19および20年度の成果において明らかとなった「ストレス反応の鶏種間差」に影響を及ぼした「運動能力」と「採食特性」に関しても実験を行った。 1.在来鶏およびブロイラー鶏において環境がつつき行動におよぼす影響に関する実験 ブロイラーと天草大王をそれぞれ2群にわけ、ストレス環境と考えられるワイヤー床と、つつく対象物として利用できるオガクズ床のケージで群飼し、各環境における他個体に対するつつき行動を比較した。11週齢時において、天草大王のワイヤー床では11.6回、オガクズ床で12.9回のつつき行動が観察された。一方のブロイラーは、ワイヤー床で1.7回、オガクズ床で1.6回となり、つつき行動の発現は天草大王が有意に多くなった。しかし、つつき行動の発現には、床材の違いによる影響は認められなかった。 2.在来鶏とブロイラーの採食特性および運動能力に関する実験 (1)熊本種およびブロイラーにおける採食特性に関する実験 熊本種とブロイラーにペレット飼料もしくはクランブル飼料を給与し、飼料形状が行動に及ぼす影響を調査した。熊本種においては、飼料形状によって採食量や増体量に違いが認められなかったが、ブロイラーは、ペレット飼料により採食量や増体量が増加した。行動反応は、両鶏種共にペレット飼料の給与により採食行動等の活動的な行動が減少し、非活動的な行動が増加した。 (2)ブロイラー鶏の運動能力に関する実験 各種の行動テストにおいて、ブロイラーは在来鶏と異なる反応を示したが、運動能力の欠如が原因である可能性が指摘されたため、トレッドミルを用いてブロイラーの成長に伴う走行可能速度の変化を測定した。5日齢から60日齢まで隔日で実験を行い、ブロイラーは体重が3000gを越えても8Km/h程度の速度で走ることが可能であることを明らかにした。
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Research Products
(5 results)