2008 Fiscal Year Annual Research Report
乳中コルチゾル濃度を用いたストレス刺激時のウシの行動特性の推定
Project/Area Number |
19780206
|
Research Institution | National Agricultural Research Organization |
Principal Investigator |
深澤 充 National Agricultural Research Organization, 畜産草地研究所・放牧管理研究チーム, 主任研究員 (70391373)
|
Keywords | 乳牛 / アニマルウェルフェア / ヒト-ウシ関係 / 乳中コルチゾル濃度 / 行動特性 / ストレス感受性 |
Research Abstract |
実際の現場でも特にストレスが高いと考えられる分娩後に搾乳牛群へ導入した牛の行動反応と産乳成績および乳中コルチゾル濃度との関係を検討した。分娩後に搾乳牛群へ導入したホルスタイン種37頭の行動を調査した。調査は導入後1週間以内に2回行い、朝の搾乳前1時間と搾乳後牛が休息するまでの約2時間の維持行動(摂食時間、飲水時間、身繕い時間、探査時間)および社会行動(闘争時間、相互舐め時間、敵対行動供与回数)について観察した。それぞれの行動時間について混合モデルをもちいた分散分析により産次などの影響を補正した個体の最不偏予測値(BLUP)を算出した。行動形質のBLUPを用いた主成分分析により行動特性を抽出した。分娩から2ヶ月ごとの牛群検定時にサンプルを採取し、乳中コルチゾル濃度を測定した。また牛群検定データから産乳成績を収集した。産乳成績および乳中コルチゾル濃度についても、混合モデルの分散分析により産次などの影響を補正した個体のBLUPを算出した。各個体の主成分スコアと産乳成績や乳中コルチゾル濃度のBLUPとの相関を求めた。その結果、行動形質から3つの主成分が抽出され、それぞれ安定性、不安性、好奇心を表していると考えられた。安定性は乳量と中程度の正の相関を示し、乳脂率や乳蛋白率とは負の相関を示した。不安性はMCと負の相関を示し、不安性の指標となる可能性が示唆された。しかし、好奇心についてはいずれの形質とも相関が認められなかった。
|
Research Products
(5 results)