2009 Fiscal Year Annual Research Report
乳中コルチゾル濃度を用いたストレス刺激時のウシの行動特性の推定
Project/Area Number |
19780206
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Research Institution | National Agricultural Research Organization |
Principal Investigator |
深澤 充 National Agricultural Research Organization, 畜産草地研究所放牧管理研究チーム, 主任研究員 (70391373)
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Keywords | 乳牛 / アニマルウェルフェア / ヒトーウシ関係 / 乳中コルチゾル濃度 / 行動特性 / ストレス感受性 |
Research Abstract |
前年度は、持続的なストレス負荷をした時の反応として分娩後に搾乳牛群へ導入した牛の行動を取り上げ、そこで見られる行動反応と非侵襲的に採取が可能な乳中コルチゾル濃度(MC)との関係について検討した。今年度は同じ供試牛を乾乳後にオープンフィールド(OF)に放飼し、隔離による急性的なストレス負荷をした時の行動・生理反応と、持続的なストレス負荷時の行動反応および搾乳期中のMCとの関連について検討した。乾乳約1ヶ月後の初産・2産目のホルスタイン種雌牛26頭をOF(8m×8m)に放飼した。OFはコンクリート床で、周囲をベニヤで囲い視覚的に外界から隔離した。進入口と反対側にマネキンを配置した。試験前に枠場において採血・心拍計の装着を行い、前室で5分間放置後、ドアを開いて放飼を開始した。開始5分後に驚愕刺激として一斗缶を投げ入れた。驚愕刺激提示10分後に試験を終了し、枠場で採血を行った。供試牛の行動はビデオカメラで撮影し解析した。OF放飼時の身繕い行動時間は、混群時の「不安性」との間に負の相関が見られた。一方、OF放飼時の探査行動時間は、混群時の「好奇心」と負の相関が見られた。ストレス負荷の種類によって行動反応が異なる可能性が考えられた。また放飼前の血中オキシトシン濃度との間に正の相関が見られた。以上のことから、刺激の種類により対応する行動および生理反応が異なる可能性が示唆された。しかし、行動および生理反応間の関係は刺激の種類によらず一貫性があるものと推察された。
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Research Products
(4 results)