2007 Fiscal Year Annual Research Report
マウス卵巣及び子宮において概日リズム的に発現し、妊孕性に関わる遺伝子の特定
Project/Area Number |
19780210
|
Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
天野 朋子 Kinki University, 生物理工学部, 助教 (60388585)
|
Keywords | 卵巣 / 概日リズム / 時計遺伝子 |
Research Abstract |
本年度はマウス卵巣において概日リズム的に発現する遺伝子の特定を行った。この検討にあたり、マウスの様々な組織や細胞において概日リズム的な発現が報告されている、時計遺伝子群(bmal1,cry1,cry2,per1及びper2)と、時計遺伝子群に発現が制御され、概日リズム的発現を呈する遺伝子群(wee1,vegf)の卵巣における発現プロファイルをreal-time PCR法を用いて解析した。その結果、時計遺伝子群とwee1が、性周期の全てのステージ(発情前期、発情期、発情休止期)において、概日リズム的に発現することが観察された。またvegfは、発情前期と発情期の卵巣において、概日リズム的な発現を示すことが観察された。さらに現在、時計遺伝子群とwee1,vegfのmRNAの卵巣内局在を検討しており、今までにper2のmRNAが卵巣内のすべての細胞に存在することを確認した。 近年の報告から、時計遺伝子群はマウスやヒトなどの肝臓や腎臓、皮膚、骨格筋などの様々な臓器や組織において概日リズム的に発現し、下流に数千の遺伝子の転写を制御することによって、各臓器や組織の機能の制御に関わると考えられている。本研究の結果より、卵巣においても時計遺伝子群が概日リズム的に発現することが示され、卵巣機能の制御に関わる可能性が示唆された。またwee1は細胞周期進行、vegfは血管新生に関わる遺伝子であり、卵巣機能に重要な卵胞の細胞(顆粒層細胞)の増殖や、卵胞の血管新生に概日リズムが関わる可能性も示唆された。
|