2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19780214
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
恒川 直樹 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 助教 (50431838)
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Keywords | ニワトリ / 生殖幹細胞 / 生殖細胞 |
Research Abstract |
これまでのところ、複数の研究機関において、マウスの生殖幹細胞が同定されている。生殖幹細胞のファウンダーとなる細胞は、特定の時期に限られると推察されていることから、本研究課題の遂行にあたり、ニワトリ生殖幹細胞の候補となる細胞の分布様式を詳細に調べた。先ず、生殖細胞を特異的に標識する抗ニワトリVasaホモログ抗体を用い、免疫組織化学的手法により、詳細な解析を行った。本抗体は、既に調整済みであり、体細胞への免疫反応が一切認められないことをこれまでに示している。個体発生過程の様々なステージ、具体的には性分化後の孵卵6日胚から初生雛までの雌雄生殖腺を主な材料とした。常法に従ってブアン固定の後、パラフィン切片を作成して免疫染色を施し、主に光学顕微鏡で観察を行った。生殖幹細胞として機能すると考えられるのは、雄個体では精祖細胞、雌個体では卵祖細胞であることから、平成19年度ではそれらの生殖腺組織内における分布情報を得ることができ、生殖幹細胞の単離に適した時期と部位を絞り込むことができた。続いて、至適培養条件を検討するため、培養を行った。摘出された雌雄生殖腺組織をそれぞれコラゲナーゼならびにトリプシンによって酵素処理を施し、解離した細胞の培養を試みた。現在のところ、一過性の培養が可能であり、盛んに増殖する生殖細胞を確認している。このとき用いた分子マーカーは、抗ニワトリVasaホモログ抗体の他、複数の生殖細胞特異的な遺伝子産物である。今後、長期培養に適した基本培地や添加物などのさらなる比較検討が必要であり、それが平成20年度の最重要課題となる。
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