2007 Fiscal Year Annual Research Report
ウエストナイルウイルスの中枢神経系侵入メカニズムの解明
Project/Area Number |
19780224
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
長谷部 理絵 Hokkaido University, 大学院・獣医学研究科, 助教 (70431335)
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Keywords | ウエストナイルウイルス / 血液脳関門 / トランスサイトーシス |
Research Abstract |
北アメリカで流行しているウエストナイルウイルス(WNV)NY株は患者の30〜40%に脳炎を引き起こす。WNVは蚊の吸血により感染し、血行性に中枢神経系(CNS)に伝播されるが、WNVが血液脳関門を通過しCNSに侵入するメカニズムは明らかにされていない。本研究の目的はヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)をTranswellに単層培養したin vitro Blood Brain Barrier(BBB)モデルを用いて、WNVのCNS侵入メカニズムを解明することである。WNV NY 6LP株Virus-like particles(6LP-VLPs)をin vitro BBBモデルに感染させた。24時間後にVLPsのBBB透過性を評価したところ、接種したVLPsの約1/10が通過した。VLPs感染細胞では子孫ウイルスは産生されないため、感染24時間後に検出された6LP-VLPsはin vitro BBBを通過したものであると考えられた。そのメカニズムとして(1)タイトジャンクションの構造変化、(2)血管内皮細胞のトランスサイトーシスが可能性として挙げられる。(1)の可能性を検討するために、HUVECに6LP-VLPsを感染させ、24時間後にタイトジャンクションのマーカーであるZO-1の免疫染色を行った。非感染細胞と感染細胞のZO-1の局在には差がなく、WNV感染によりタイトジャンクションの構造は変化しないことが示唆された。次に(2)の可能性を検討するために、カベオラ小胞形成阻害剤であるFilipin、クラスリン小胞形成阻害剤であるChlorpromazineがWNVのHUVECへの侵入に及ぼす影響を検討した。その結果、Chlorpromazine処理によりWNV感染が有意に減少した。従って、WNVの血管内皮細胞への侵入および血液脳関門の通過にはクラスリン小胞によるトランスサイトーシスが関与することが示唆された。
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[Presentation] Infectious entry of equine herpesvirus-1 into host cells through different endocytic pathways2007
Author(s)
Hasebe, R., Kimura, T., Sawa, H., Wada, R., Umemura, T.
Organizer
American Society for Virology 26th Annual Meeting
Place of Presentation
Oregon State University, Oregon, USA
Year and Date
2007-07-15