2007 Fiscal Year Annual Research Report
イヌの免疫介在性疾患に対する分子標的療法の開発とその臨床応用
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19780232
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
水野 拓也 Yamaguchi University, 農学部, 准教授 (90398826)
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Keywords | イヌ / 免疫 / 抗体療法 / 内科 |
Research Abstract |
今年度は、イヌの抗体療法を二年間で確立するための道具作りが中心となり、二年目のin vivoでの臨床試験へとつながる基盤作りを行う予定であった。 そのために、まずイヌのIgGサブタイプA〜Dの重鎖定常部および軽鎖λおよびκ鎖の定常部の遺伝子クローニングを行った。これまでの報告とは異なり複数の脾臓Cdnaライブラリーを用いたにも関わらず、サブタイプDは得られずA〜Cの3種類の重鎖定常部が得られた。また軽鎖λおよびκ鎖の定常部は予想どおり得られた。それらの全ての組み合わせ6種を哺乳類発現ベクターに組み込み、イヌーキメラ抗体発現ベクターを構築した。このベクターはCMVエンハンサーおよびウサギβアクチンをプロモーターにもっており、重鎖および軽鎖の遺伝子の間にIRES(Internal Ribosomal Entry Site)が存在することにより重鎖および軽鎖が同時に等量ずつ発現するように設計されている。さらに、このベクターが機能するかを検討するために、マウスThylを認識するラット抗体産生ハイブリドーマより抽出したRNAを用いてCdnaを作製し、H鎖およびL鎖の可変部を得た。それらを先ほどの発現ベクターに組み込み、発現、検出系を構築した。 また、イヌT細胞特異的分子に対する抗体療法の基盤的研究として、イヌT細胞に対する抗体を産生するハイブリドーマライブラリーを作製した。これらのライブラリーよりイヌT細胞を特異的に認識する抗体を選別中であり、今後このハイブリドーマを用いて上記ベクターと組み合わせる事により抗体療法を確立する。
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