2008 Fiscal Year Annual Research Report
高生産性植物創出へ向けたラン色細菌遺伝子の葉緑体包膜へのターゲット技術の確立
Project/Area Number |
19780245
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
大河 浩 Hirosaki University, 農学生命科学部, 准教授 (70436012)
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Keywords | 植物 / バイオテクノロジー |
Research Abstract |
現在まで、植物におけるラン色細菌の膜タンパク質の効果的な発現方法について検証された報告はほとんどないが、ラン色細菌の輸送体などを用いて、植物葉緑体包膜へのターゲット技術を確立させることができれば、各種機能性タンパク質の相補解析やそれによる代謝などの改変による影響を評価することが可能になると期待される。また優良植物開発への遺伝子改変による形質転換植物創出が現在までに世界中で数多く試みられており、その改変へ向けた基礎の一端となるものと期待される。そこで、ラン色細菌遺伝子の葉緑体包膜へのターゲット技術の確立を目指すために、葉緑体包膜に存在する遺伝子と相同性の高い遺伝子として明らかにされているpxcA遺伝子などを植物に導入した形質転換体の作製を試みた。前年度、導入用コンストラクトの構築およびシロイヌナズナ形質転換を試みたが形質転換体を得ることができなかった。再度条件など検討した結果、いくつかの形質転換体を得ることができた。また発現させたラン色細菌タンパク質PxcAなどをタンパク質レベルで解析するためには、特異性の高い抗体が必要となる。特異的抗体の作製のため、膜から露出した領域のタンパク質を発現させる条件を検討した結果、sbtAタンパク質については良好な抗原を得ることができ、それを抗原にしてポリクローナル抗体を作製した。できた抗体の特異性を確認するために、リコンビナントタンパク質及び精製したシアノバクテリア全幕画分のタンパク質に対してウェスタン解析を行った結果、それぞれ目的サイズのバンドを得られることができ、形質転換体での発現の確認に必須な特異的抗体であることが確認できた。これまでの研究により更なる解析を進行させていくことが可能となった。
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