2008 Fiscal Year Annual Research Report
抗がん活性アルカロイド・ハオーアミン類の新規合成法の開発と絶対立体化学の決定
Project/Area Number |
19790004
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
杉本 健士 Tohoku University, 大学院・薬学研究科, 助教 (60400264)
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Keywords | 有機化学 / 生理活性 / 薬学 |
Research Abstract |
Haouamine類の構造において、特徴的かつキラル要素の集約されているindeno-tetrahydro-pyridine骨格の不斉構築法の開発と、3-aza-[7]-paracyclophane骨格の効果的構築法の開発、ならびに不斉全合成を目指し研究を行った。 Indeno-tetrahydropyridine骨格の構築については、昨年度の成果に基づき、β-ラクタムの構造的特性を活用した方法論を基盤とする検討を行い、三環性β-ラクタムの開環を伴った更なる炭素骨格の導入に成功した。求核剤としてはニトリルアニオンが最適であり、高収率でフェニルアセトニトリル単位を与えることを見いだし、更なる変換を行った結果、目的とするindeno-tetrahydropyridine骨格を痕跡量ながら得ることができた。しかしながら、その終盤での再現性が問題となり、別経路での検討に着手した。この間の詳細については、The 17th International Conference on Organic Synthesisおよび第50回天然有機化合物討論会にてポスター発表を行った。別経路では、光学活性な三環性β-ラクタムの閉環の検討段階まで進めることができ、更なる詳細な検討が必要であることが判明した。 また3-aza-[7]-paracyclophane構造の構築に関しては、大環状ラクトンを鋳型としパラジウム触媒を用いたHeck型反応によるビアリール構造の構築を目指し合成を進めたが、良好な結果は得られなかった。そこで合成経路の変更を行い、tetrahydropyridine骨格の形成を、インダン上のホルミル基と、窒素原子から伸長した大環状アミン構造を持つ側鎖との分子内マクマリーカップリングによる閉環による経路を立案し、モデル化合物を用いた検討を行った。
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Research Products
(3 results)