2007 Fiscal Year Annual Research Report
血管新生阻害剤の創製を指向した海洋天然物の合成研究
Project/Area Number |
19790014
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
古徳 直之 Osaka University, 薬学研究科, 助教 (20362618)
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Keywords | 血管新生 / 海洋天然物 / 全合成 / リード化合物 / 抗がん剤 |
Research Abstract |
本研究では、我々が海洋生物の二次代謝産物より見いだした、強力かつ選択的な血管新生阻害活性を示す二種の生物活性天然物について全合成研究を行い、効率的かつ実用的な合成手法の確立を目指すとともに、その構造をモチーフとして、より短工程で合成可能な活性リード化合物を設計・合成するなど、血管新生を標的とする新規な抗がん剤シーズの創製を指向した創薬化学的研究を目的としている。今年度は以下の成果を得た。(1)イソキノリン側鎖を有する新規ステロイドアルカロイドcortistatin A の全合成研究に着手し、(-)-キナ酸を出発物質としてA環フラグメントを短工程で合成することに成功した。また、Johnson-Claisen転位反応による不斉転写および分子内Michael-aldol反応を鍵としてイソキノリン側鎖を有するCD環フラグメントの立体選択的な合成に成功した。これらの成果は、cortistatin A の全合成につながる重要な知見である。(2)Cortistatin A をシーズとする活性リード化合物の創製を目指し、活性発現に重要な A 環部とイソキノリン側鎖をリンカーで結合した化合物を設計・合成した。(3)Globostellatic acid X methyl ester の合成研究の一環として、活性発現に重要な共役オレフィン側鎖を含む BC 環モデル化合物の合成を行い、イノラートアニオンによる立体選択的オレフィン導入を鍵工程とした効率的な合成法を開発した。また、合成した化合物が血管内皮細胞に対して選択的増殖抑制作用を示すことを見いだした。
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