2007 Fiscal Year Annual Research Report
新規アルツハイマー病治療薬の創製を指向した植物アルカロイドナンカクリンの合成研究
Project/Area Number |
19790022
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Research Institution | Tohoku Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
阿部 秀樹 Tohoku Pharmaceutical University, 薬学部, 講師 (00328551)
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Keywords | 合成化学 / 有機化学 / 薬学 / ナンカクリン / 植物アルカロイド / アルツハイマー病治療薬 / アシルイミニウムイオン / 不斉合成 |
Research Abstract |
亜熱帯地方に生息するヒゲノカズラ科植物ナンカクランより単離された神経成長因子放出促進活性を有する四環性アルカロイドnankakurine A及びBの全合成研究を行った。 初めに,nanklakurine類BD環に相当するperhydroquinoline環の立体選択的構築について検討を行った。(R)-pulegoneより容易に導かれる2-(3-benzyloxypropyl)-5-methyl-2-cyclohexenoneに対しInCl_3-TMSClを用いた立体選択的Hosomi-Sakurai反応を行い,シクロヘキサン環3位へ高立体選択的にアリル基を導入した。次いで1位カルボニル基の保護及びアリル基二重結合の酸化的開裂続く還元反応により3位置換基をヒドロキシエチル基へ変換後,生じた水酸基をTBDPS基で保護した。さらに2位側鎖のベンジル基を除去後二段階の酸化反応によりカルボン酸へ誘導した後,DEPCを用いたアミド化反応を行いメチルアミド体へ導いた。得られたメチルアミド体を酸触媒存在下加熱還流を行ったところ,ケトン保護基の脱保護及び分子内脱水環化反応が一挙に進行し,核環位に二重結合を有する二環性化合物が得られることが判明した。次いで核環位二重結合の立体選択的還元反応について検討した。水素雰囲気下酸化白金を触媒として核環位二重結合の還元反応を行ったところ,マイナー生成物ではあるがnankakurine類BD環に相当するperhydroquinoline体を得ることができた。 現在,還元反応の立体選択性について,さらなる検討を行っているところである。
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