2007 Fiscal Year Annual Research Report
不斉アルキニル化反応を基盤とする多置換複素環構築法の開発と応用
Project/Area Number |
19790023
|
Research Institution | Takasaki University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
山下 光明 Takasaki University of Health and Welfare, 薬学部, 助教 (20433641)
|
Keywords | 不斉合成 / アルキニル化 / 共役付加 / アート錯体 |
Research Abstract |
アルキニル化反応は、その有機合成化学上の有用性から近年盛んに研究されている。すなわち、C-C三重結合は水素添加によってアルカン、アルケンへと変換可能なだけではなく、遷移金属を用いる様々な反応を利用して構造修飾を行うことができるからである。 そのため、本反応の開発、特に不斉反応の開発は合成化学における有用なツールになると期待できる。現在、付加成績体自体がキラルビルディングブロックとして有用である、アルデヒド、イミン等を基質とした1,2-不斉付加反応は特に盛んに研究されており多数の成功例が報告されている。その一方で、不斉共役付加の成功例はわずかしかない。本研究では、ニトロアルケンをはじめとするマイケルアクセプターを求電子剤とした触媒的不斉アルキニル化反応の開発を行う。不斉配位子-メタルアセチリドアート型錯体を再生可能とする不斉触媒型反応の開拓を目指す。現在までに以下の3点が明らかになっている。1、リチウムアセチリド種は-40℃付近ではゆっくりと反応が進行するものの、-78℃では最強のマイケルアクセプターであるニトロアルケンとすらほとんど反応しない。2、リチウムアセチリド種はキラルアミノエーテルなどのリガンド添加による反応のアクセレレーションが無い。3、リチウムアセチリドの活性化法かつ不斉発現法として良く知られているキラルリチウムアルコキサイド添加による反応では、ニトロアルケンを基質とした場合、低い不斉収率しか得られないこと。以上の知見を基に求核種であるリチウムアセチリドとアミノアルコール-亜鉛錯体を用いてアート型錯体を調整し、求核剤を活性化することで触媒反応へと展開できると期待している。
|