2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19790024
|
Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
濱本 博三 Kinki University, 薬学部, 講師 (40365896)
|
Keywords | 合成化学 / 高分子構造・物性 / 高分子合成 / 触媒・化学プロセス / 有機化学 |
Research Abstract |
優れた医薬品製造プロセスを構築する上で有用な新規固相触媒を開発することを目的とし、ポリアクリルアミド系高分子と金属触媒から構成される高分子触媒の設計とその有機反応への応用研究を行い、以下の平成20年度研究成果を得た。 1、平成19年度に得た、イオンユニットを持つポリアクリルアミド系高分子が水中で優れた有機反応場を与えるという知見に着目し、イオン性ポリアクリルアミド高分子内部に過ルテニウム酸塩を有する高分子担持触媒を調製した。これをナフトール類の酸素雰囲気下の酸化的カップリング反応における触媒として用いたところ、水中で反応は良好に進行し、カップリング体生成物を収率良く得ることに成功した。 2、イオン液体を用いる有機反応では、遷移金属触媒を用いる有機合成反応が効率よく進行する。最近では、イオン液体を固体表面に固定した回収と再使用の可能な固相触媒研究が行なわれている。今回、高分子内部のイオン環境を活かした有機反応の開発するために、アンモニウム塩やイミダゾリウム塩などの様々な塩を種々の割合で持つ高分子を合成し、いくつかの遷移金属種を保持させた固相触媒の調製を行なった。その結果、4級アンモニウム塩を有するポリアクリルアミド高分子と四酸化オスミウムで構成される固相触媒がアルコール類の酸化的ジヒドロキシ化反応に使用可能な触媒として働くことを明らかにした。なお、触媒活性は低いものの、高分子内部のイオン環境が触媒活性に影響することが明らかとなった。 3、イオンユニットを持つ高分子内部にシリカゲルを分散させた複合高分子に金属酸化物クラスターを保持させたハイブリッド型固相触媒を調製し、これがアルコール類の過酸化水素水による酸化反応の触媒として有用であることを見出した。
|