2007 Fiscal Year Annual Research Report
高立体選択的なワンポット分子変換法の開発と多環式含窒素天然物の不斉合成への応用
Project/Area Number |
19790026
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
中崎 敦夫 Tokyo University of Science, 薬学部, 助教 (00366428)
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Keywords | 不斉合成 / ワンポット分子変換法 / 含窒素天然物 / 生物活性物質 / 高立体選択的反応 |
Research Abstract |
3位に不斉四級炭素を持つオキシインドール骨格は、生体機能分子に広く見受けられる基本骨格であり、また、ピロリジノインドリンアルカロイドの合成重要中間体でもあることから、その立体選択的な合成法の開発は重要な課題の一つである。本申請者らは、UllmannカップリングとClaisen転位に着目し、これら反応を連続的にワンポットで行うと、3位に不斉四級炭素を持つスピロオキシインドールが簡便かつ効率的に合成できることを既に見出している。本申請者はこのワンポット手法を更に汎用性のある反応へ拡張するために、「不斉転写を利用した光学活性スピロオキシインドールの合成」、および「ワンポット手法を活用した多環式含窒素天然物の不斉合成」を本年度の研究課題に設定した。 入手容易な(-)-Linaloolから簡便に合成可能なシリルアセチレンとヨードアニリン誘導体とのLarockインドール合成は予想通り速やかに進行し、対応する2-シリルインドールを82%の収率で得ることができた。インドール2位のケイ素をヨウ素へと変換後、2-ヨードインドールのワンポット反応は、期待どおりスピロオキシインドールを光学的にぼぼ純粋に(97%ee)、かつ83%の収率で与えることがわかった。更に、スピロオキシインドールのオレフィンの酸化的解裂などを含む9工程で、ピロリジノインドリンアルカロイドである(-)-Debromoflustramine Bの不斉合成を達成した。本手法で簡便に合成可能なスピロオキシインドールは置換基の導入が容易なことから、今後さまざまなインドールアルカロイドの合成に展開可能である。
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