2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19790027
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
原田 研一 Tokushima Bunri University, 薬学部, 助教 (70441590)
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Keywords | 有機合成化学 / ジアジフェニン / 神経栄養因子 / アルツハイマー病 / 神経突起伸展促進 / イリジウム触媒 / Mizoroki-Heck反応 / 構造活性相関 |
Research Abstract |
2002年に単離,構造決定されたジアジフェニンは環状ヘミアセタール構造を含む特異な四環性構造からなるseco-プレジザン型セスキテルペンである.本化合物は,ラット胎児大脳皮質由来初代培養神経に対して神経突起伸展促進作用などの神経栄養因子様活性を有する.さらに,脂溶性低分子であることから体内では容易に脳へ移行すると考えられ,神経変性疾患の新たな治療薬になると期待されている.本研究ではジアジフェニンの効率的合成法の開発とその不斉合成を行うとともに,合成体の活性評価による構造活性相関を含めた創薬研究を目指す. 本年度はジアジフェニンの左環部である五員環構築を行った.まず,ジェチルオキソピメリン酸から数段階を経てα-ブロモエステル部を有する環化前駆体を合成した.この基質に対し分子内Mizoroki-Heck反応を行い,四級炭素の形成を含む五員環構築を検討した.反応条件を詳細に検討した結果,本系では通常Mizoroki-Heck反応で良好な結果を与えるDMFなどの非プロトン性極性溶媒を用いるとO〜39%の低収率でしか反応が進行しないことが判明した.一方,アルコール系プロトン溶媒を使用すると反応は円滑に進行し高収率で環化体を与えた.なかでもメタノール溶媒は最も良い結果を与え,反応は1時間で完結し100%の収率で環化体を得ることができた.現在,得られた環化体から数段階の官能基変換後,アリルエポキシドに対するイリジウム触媒反応を用いた中央環およびγ-ラクトン環の連続環化反応を検討中である.
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Research Products
(4 results)