2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19790027
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
原田 研一 Tokushima Bunri University, 薬学部, 助教 (70441590)
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Keywords | 有機合成化学 / ジアジフェニン / 神経栄養因子 / アルツハイマー病 / 神経突起伸展促進 / パラシウム触媒 / Tsuji-Trost反応 / 構造活性相関 |
Research Abstract |
2002年に単離, 構造決定されたジアジフェニンは環状ヘミアセタール構造を含む特異な四環性構造からなるseco-プレジザン型セスキテルペンである. 本化合物は, ラット胎児大脳皮質由来初代培養神経に対して神経突起伸展促進作用などの神経栄養因子様活性を有する. さらに, 脂溶性低分子であることから体内では容易に脳へ移行すると考えられ, 神経変性疾患の新たな治療薬になると期待されている。本研究ではジアジフェニンの効率的合成法の開発とその不斉合成を行うとともに, 合成体の活性評価による構造活性相関を含めた創薬研究を目指す. 本年度はジアジフェニンの中央環とラクトン環の構築法を検討し, ジアジフェニン骨格の合成を行った. 環化反応には分子内Tsuji-Trost反応とそれに続くラクトン環構築の連続反応を適用した. 環化前駆体として当初計画していたアリルエポキシド体は不安定で調製が困難であったが, エポキシド部をアセトナイド, または環状炭酸エステルへ置き換えたものを基質として調製した, 両者にTsuji-Trost反応を行った結果, アリルアセトナイドは非常に安定で全く反応しなかったが, 環状炭酸エステルは速やかに反応が進行し中央環とラクトン環の連続環化に成功した. 反応条件を詳細に検討した結果, 環状炭酸エステルの立体化学および溶媒の性質により生成物が変化することを明らかにした. しかし, 本反応で得られた環化体は天然物のエピマー型であり, 現在, 天然型の立体配置をもつ環化体の構築を検討している.
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Research Products
(9 results)