2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19790031
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 大 The University of Tokyo, 大学院・薬学系研究科, 准教授 (30332943)
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Keywords | ナノ物質 / カーボンナノチューブ / クロマトグラフィー / 電気泳動 / 分離分析 / ラマン分光 / プローブ顕微鏡 |
Research Abstract |
2000年のクリントン元大統領の一般教書演説と、米国での国家ナノテクノロジーイニシアチブの開始以来、ナノテクノロジーが一躍注目を集め、科学技術の最もホットな話題の一つになっている。そして現在では、ナノテクノロジーを利用した商品が次々と開発され市販されるようになり、その恩恵を実感できるようになってきている。しかし現時点で、実用化されているこれらの商品の中には、医薬品などの生体内に投与する物質は存在していない。その原因の一つには、医薬品は承認までに時間がかかるため、まだ認可が得られず市場に投入できないという原因以外にも、ナノメートルサイズの物質(ナノ物質)の安全性を正確に評価する手法が存在しないことも原因であると考えられる。 本年度は、直径約1nmの円筒構造を有するシングルウォールカーボンナノチューブに注目し、その分離分析法を開発した。ナノチューブを分離分析するために、高分離能を有するキャピラリー電気泳動とナノチューブ1本の検出が可能なラマン分光法もしくはプローブ顕微鏡とを組み合わせた分析システムを構築した。開発したシステムを用いることでカーボンナノチューブ1本の分離分析が可能になり、本法では直径の細いカーボンナノチューブの方が早く泳動された。また直径がわずか0.02nm異なるナノチューブが識別されたことから、本手法は非常に優れた分離分析法であると考えられる。今後は、本手法をその他のナノ物質の分離に利用し、本手法の有効性を実証する予定である。
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Research Products
(2 results)