2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19790032
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
村田 克美 Kyoto University, 薬学研究科, 助教 (80372556)
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Keywords | 計算化学 / 創薬 / 生物物理 |
Research Abstract |
本年度は、リガンド生成プログラムを作成するために必要な基礎事項の検討を行った。使用したタンパク質は、FKBP、p38(キナーゼ)、ER(核内受容体)、FXa(プロテアーゼ)の4種類であり、作成するプログラムの汎用性の検討も行った。まず、各タンパク質について、分子動力学計算を実行し、活性部位付近の水分子の双極子場のパターンを計算した。次に、このパターンと一致するsp3炭素のみで繋がれたリガンドの骨格を生成するプログラムを作成した。作成したプログラムを用いて、各タンパク質に対して100個のリガンド骨格を生成した所、これらの中に実際の結晶構造中のリガンドと形が一致する物が数多く含まれることが確かめられた。さらに、リガンドの骨格をsp3炭素だけではなく、sp2炭素も用いて形成されるようにプログラムの機能の拡張を行った。その結果、より多くの実物のリガンドと形が一致する骨格を作ることが可能となった。以上により、本研究で作成したプログラムを使い、活性部位の形と相補性の良いリガンドの基本骨格が、4種類のバラエティーに富んだタンパク質で得られることが確認された。また、水素結合を形成する部位を溶媒双極子場のパターンから同定し、その部分は炭素ではなくヘテロ原子にする機能をプログラムに組み込んだ。これにより、実際の化合物に近いリガンドの骨格が作成できるようになった。
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