2007 Fiscal Year Annual Research Report
Pex19pによるペルオキシソーム膜タンパク質輸送機構の解明
Project/Area Number |
19790033
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中野 博明 Kyoto University, 薬学研究科, 助教 (10378789)
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Keywords | Pex3p / Pex19p / ペルオキシソーム / 相互作用 / Biacore / 蛍光スペクトル / 沈降平衡法 / タンパク質 |
Research Abstract |
一般的に、膜タンパク質の翻訳後輸送は、翻訳されると同時に小胞体膜に挿入され、引き続いて目的のオルガネラあるいは細胞表面へと輸送される。一方、ペルオキシソーム膜タンパク質(PMP)は遊離型リボソームで生合成される。翻訳が完了したPMPに存在するターゲッティングシグナルであるmPTSはPex19pが認識し、PMP-Pex19p複合体として細胞質中を移動しペルオキシソーム膜上の膜タンパク質であるPex3pへと受け渡されると考えられている。しかし、mPTSに特徴的な配列はみられないため、PMP輸送過程における分子間の認識メカニズムは未だ不明である。そこで本研究では、Pex3p-Pex19pの相互作用について検討を行った。そのためにまず、Pex3pの細胞質側領域のみを発現させた。Pex19pとの結合実験をゲル濾過及び蛍光測定、分析超遠心沈降平衡法により行ったところ、Pex3pとPex19pはストイキオメトリーが1:1で結合していることが明らかとなった。蛍光測定においてPex3pにPex19pを加えていった場合に、特徴的なブルーシフトを起こしたことから、Pex3pの二つあるトリプトファンのどちらか(Trp104、Trp224)がPex19pとの相互作用に関与していると示唆された。そこで、これらをAlaに変えた変異体を作成し、Pex19pとの相互作用を免疫沈降実験によって解析したところ、Trp104のみがPex3pとの結合に関与していることが明らかとなった。さらにTrp104の周囲の残基をAlaに変異させてスクリーニングを行ったが、Pex19pとの結合力を失った残基は存在しなかった。このことから、Pex3pのTrp104は、直接Pex19pとの相互作用に関わっているということを明らかにした。
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