2007 Fiscal Year Annual Research Report
電子線単粒子解析によるスルフォニル尿素剤受容体の制御機構解明
Project/Area Number |
19790034
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
木村 泰久 Kyoto University, 農学研究科, 助教 (10415143)
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Keywords | ATP感受性カリウムチャネル / KATP / SUR1 / Kir6.2 / ABC transporter / single particle analysis |
Research Abstract |
KATPチャネルは細胞膜上のカリウム選択的なチャネルであり、チャネル孔サブユニットであるKir6.2と制御サブユニットSURが4分子ずつ結合したヘテロ8量体によって形成される。KATPチャネルは細胞内のメタボリックセンサーとして機能し、糖尿病や虚血性の心疾患と密接に関連している。 平成20年度の研究では、ヒト培養細胞を用いて得られた精製KATPチャネル複合体の機能解析を行ない、精製KATPチャネル複合体が界面活性剤溶液中でATPと強く結合する活性な3次元構造を保持していることを確認した。次いで極低温顕微鏡による単粒子解析実験を開始し、8量体と思われる構造の初期モデルを作成した。しかし初期モデルの分解能は低く、有意義な情報はほとんど得られなかった。さらなる分解能向上には糖鎖の除去が必要になると予想されたため、発現段階で糖鎖の形状を単一化する培養手法の開発を行った。本研究で開発した大量発現・精製法により重要な創薬ターゲットとなっている膜タンパク質の発現を試み、高脂血症に関与する遺伝子など複数の遺伝子について発現に成功した。 本研究で開発したヒト培養細胞による大量発現技術は複合体形成など、高次の品質管理機構を必要とする哺乳類の膜タンパク質の発現に有効である。また精製手法の最適化において開発した複合体の安定度の評価手法は、膜タンパク質複合体の精製に用いる界面活性剤の選定に特に有効であり、短時間での実施が可能であることから、今後スクリーニング手法としての応用が期待できる。
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Research Products
(1 results)