2008 Fiscal Year Annual Research Report
化学物質の腎毒性発現に関与する生体内レドックス変化の非侵襲的測定法の確立
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19790042
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Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
岡崎 祥子 Sojo University, 薬学部, 助教 (40435152)
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Keywords | in vivo ESR / レドックス / 酸化ストレス |
Research Abstract |
本研究では、生体内のレドックスバランスの変化をESRを用いて非侵襲的に測定する方法の確立を目的としており、腎臓での局所的測定法の検討とともに、腎障害を伴う疾患について全身的なレドックス変化の測定を試みた。 1.アンギオテンシンII投与により作成した高血圧モデルマウスは、健常マウスと比較して血清中尿素窒素(BUN)の上昇が認められ腎障害が起こっていることが示唆された。アシル保護ニトロキシルアミンプローブ(ACP)を用いたL-band ESRで生体内レドックスを測定したところ高血圧モデルマウスではESRシグナルが持続したことから健常マウスに比べて体内レドックスが酸化に傾いていることが示唆された。また、鉄キレート剤投与によりシグナルの持続が抑制されたことから、レドックスの変動に鉄の沈着が関与していることが示唆された。 2.LPSを投与した敗血症モデルマウスでもBUNの上昇が認められた。ACPを用いたL-band ESR測定により敗血症モデルマウスの体内が酸化に傾いていることが判明した。また、SODとカタラーゼの投与によりESRシグナルの持続が抑制されたことからレドックス変化にO2-生成が関与していることが示唆された。 3.合成、分離、生成したグルタチオン抱合ハイドロキノンをラットに投与し、血清クレアチニンの上昇が認められた。体外に露出させた腎において充分なESR感度を得るためにニトロキシルラジカルプローブを用いて測定を行ったが、体内への分布と還元が同時におこり、シグナルの減衰が一次反応によらないために解析が困難となった。 全身的な測定では今回の方法でレドックス変化の測定が可能であることが示された。局所的測定を行うにはプローブ等についてさらに工夫、検討が必要である。
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Research Products
(3 results)