2007 Fiscal Year Annual Research Report
固形腫瘍に対する光線力学療法剤を志向した活性酸素発生物質の開発
Project/Area Number |
19790043
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Research Institution | National Institute of Radiological Sciences |
Principal Investigator |
中西 郁夫 National Institute of Radiological Sciences, 重粒子医科学センター, 研究員 (70356137)
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Keywords | 癌 / 薬学 / 有機化学 / 活性酸素 / 放射線 / ラジカル / 光線力学療法 / 反応機構 |
Research Abstract |
1.種々の置換基RをもつピリジンN-オキシド(RPyO)の一電子還元電位(E^0red)を決定するため、酸素非存在下、サイクリックボルタンメトリー法によりRPyOのサイクリックボルタモグラム(CV)を測定した。その結果、R=NO_2などの電子求引性置換基をもつRPyOは、無置換のPyO(R=H)に比べて高いE^Ored値をもつことがわかった。 2.RPyOの一電子還元体を得るために、酸素非存在下、25℃で、RPyOとジヒドロニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)モデルである1-ベンジル-1,4-ジヒドロニコチンアミド(BNAH)との光反応を行った。その結果、RPyOは対応するラジカルアニオンRPyO-に還元されることがわかった。R=Hの場合には、ラジカルアニオンが極めて不安定であるのに対し、R=NO_2の場合には、NO_2PyO-を電子スピン共鳴(ESR)法で直接検出することができ、そのESRスペクトルの超微細構造からNO_2PyO-の詳細な電子構造を明らかにすることができた。 3.RPyOとBHANとの光反応で生成したRPyO-による活性酸素種生成の反応性をDMPOによるスピントラッピング法で検討した。その結果、R=Hの場合には、DMPO-OHに特徴的なESRシグナルが観測され、HPyO-から効率良くヒドロキシルラジカルが生成することがわかった。一方、NO_2PyO-は比較的安定なため、ヒドロキシルラジカルの生成は観測されなかった。以上の知見に基づき、次年度は、新規化合物め設計を行う予定である。
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Research Products
(21 results)