2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19790046
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉村 明 Tohoku University, 大学院・薬学研究科, 助手 (70302164)
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Keywords | DNA修復 / WRNIP1 / RAD18 / ウェルナー症候群 / CPT |
Research Abstract |
本研究では、早老症ウェルナー症候群原因遺伝子産物WRNと相互作用するタンパク質WRNIP1と、損傷トレランス機構で働くRAD18との機能的連携の解明を目的とする。WRNIP1はDNA複製フォーク近傍で機能していることが予想され、中でも損傷トレランス機構で中心的に働くRAD18との関わりを明らかとすることは、DNA修復機構の解明、DNA複製、修復の破綻からなる老化、発癌の分子機構の解明への端緒となることが期待される。 WRNIP1とRAD18との物理的な相互作用を調べるために、ヒトWRNIP1とヒトRAD18を293E細胞に共発現させたところ、両者は免疫沈降可能な複合体中に含まれた。RAD18はユビキチン連結酵素であり、WRNIP1がユビキチン化されることから、WRNIP1のユビキチン化はRAD18によって起こる可能性が考えられた。そこで、DT40RAD18遺伝子破壊株にヒトWRNIP1を発現させたところ、WRNIP1のユビキチン化が検出され、このユビキチン化はRAD18に依存していないことが示唆された。また、WRNIP1のzincフィンガーモチーフに変異を導入したWRNIP1変異遺伝子を作製し、293E細胞に発現させたところ、WRNIP1のユビキチン化が見られなくなる変異を特定した。 WRNとRAD18の関係を調べるために、両者を293E細胞に共発現させ、免疫沈降を行った。さらにWRNおよびWRNIP1は共にDNAポリメラーゼδ(polδ)のp50サブユニットに結合することから、RAD18とp50に結合についても同様に解析を行った。しかし、WRN、p50のいずれもRAD18への結合は観察されなかった。 以上の結果を踏まえ、今後更なる解析を進め、RAD18とWRNIP1両者の連携についてのモデルを提出する。
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Research Products
(7 results)