2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19790046
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉村 明 Tohoku University, 大学院・薬学研究科, 助手 (70302164)
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Keywords | DNA修復 / WRNIP1 / RAD18 / ウェルナー症候群 |
Research Abstract |
本研究では、早老症ウェルナー症候群原因遺伝子産物WRNと相互作用するタンパク質WRNIP1と、損傷トレランス機構で働くRAD18との機能的連携の解明を目的とする。WRNIP1はDNA複製フォーク近傍で機能していることが予想され、中でも損傷トレランス機構で中心的に働くRAD18との関わりを明らかとすることは、DNA修復機構の解明、DNA複製、修復の破綻からなる老化、発癌の分子機構の解明への端緒となることが期待される。 高等動物細胞においてWRNIPIとRad18との間に遺伝学的な関係があることから、WRNIPIとRad18が直接あるいは間接的な相互作用をする可能性が示唆された。そこで、両者の物理的相互作用の有無の検討を行った。その結果、WRNIP1とRAD18が実際に物理的に相互作用することが明らかになった。 さらに、精製したWRNIP1とヒトRAD18を用いて生化学的解析を行うことにより、両者の機能的関係について検討した。WRNIP1とRAD18のDNA結合に関してゲルシフト分析法を用いて解析を行ったところ、WRNIPIとRAD18の両者が共存すると、RAD18が結合しているDNAにWRNIP1がリクルートされること、一方、RAD18のDNA結合はWRNIP1に取って代わられるため、WRNIP1がRAD18のDNA結合を阻害することが判明した。以上のことから、WRNIP1とRAD18が機能的に連携しながら損傷トレランス機構へ関与することが示唆された。 DNA複製や修復における様々な局面に応じて、Rad18とWRNIP1はお互いに連携をとりながら、部分的に協調する、お互いの機能を制御ずるなど、相互の関係を変えながら機能していると考えられる。本研究が今後のWRNIP1が関わる損傷トレランス機構の解明への端緒となることが期待される。
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Research Products
(6 results)