2008 Fiscal Year Annual Research Report
GABA及びドパミン作動性ニューロンの発生機構におけるFGF19の役割の解明
Project/Area Number |
19790057
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
三宅 歩 Kyoto University, 薬学研究科, 講師 (40346044)
|
Keywords | FGF / ゼブラフィッシュ / 脳・神経 / 眼形成 / GABA作動性ニューロン / ドパミン作動性ニューロン / 網膜 / 前脳 |
Research Abstract |
22種類存在するFgfリガンドは、各々4種類のFgfrに対してそれぞれ異なる親和性をもつことが知られている。そこで、脳形成過程においてFgf19が介するFgfrを同定するため、脳形成過程におけるFgfrの発現及び機能について検討した。ゼブラフィッシュFgfr遺伝子はこれまでにFgfr1-Fgfr4の4種類が同定されており、受精後24時間でFgfr3は前脳領域において発現していないが、Fgfr1は終脳および間脳に広く発現し、Fgfr2は終脳腹側および間脳の前方領域、Fgfr4は終脳腹側において発現することが報告されている。しかしながら、その他の発生段階における詳細な発現解析は行われていない。そこで、Fgf19の発現が開始する受精後12時間と受精後18時間におけるFgfr遺伝子の発現解析を行なった。その結果、Fgfr1は12時間胚から前脳領域に発現し、18時間胚では前脳領域で高発現していた。Fgfr2は12時間胚では前脳領域全体に弱く発現しており、18時間胚では前脳領域で高発現していた。Fgfr4の発現は12時間胚の前脳領域には認められなかったが、18時間胚の間脳においてはその発現が認められた。そこで、Fgfr1、Fgfr2、Fgfr4の3種類のFgfr遺伝子の前脳形成における機能について検討した。その結果、Fgfr1、Fgfr2およびFgfr4のいずれも前脳の形成に必須であることが示された。従って、受精後18時間のゼブラフィッシュ胚の終脳においてはFgfr1、Fgfr2のみが発現しており、それぞれの遺伝子の機能阻害胚を解析した結果と総合的に判断すると、終脳の形成過程におけるFgf19の機能はFgfr1あるいはFgfr2を介して発揮していると考えられる。また、受精後18時間のゼブラフィッシュ胚の間脳においてはFgfr1、Fgfr2、Fgfr4の3種類の受容体が発現しており、それぞれの遺伝子の機能阻害胚を解析した結果と総合的に判断すると、間脳の形成過程におけるFgfl9の機能はFgfr1、Fgfr2あるいはFgfr4を介して発揮していると考えられる。
|
Research Products
(2 results)