2008 Fiscal Year Annual Research Report
レプチン抵抗性によるメタボリックシンドロームの病態解明~小胞体ストレスの関与~
Project/Area Number |
19790059
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
細井 徹 Hiroshima University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (40379889)
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Keywords | レプチン / 小胞体ストレス / 肥満 / 生活習慣病 / STAT 3 / PTP1B / SOCS 3 / 糖尿病 |
Research Abstract |
肥満は糖尿病、高脂血症、高血圧、動脈硬化症といった生活習慣病すなわちメタボリックシンドロームの主要な危険因子であり、肥満の発症・進展機構の解明と有力な治療法の開発は臨床医学の見地からもきわめて重要かつ急務の課題である。 レプチン抵抗性改善薬は、肥満及びそれにともなう生活習慣病の治療に有効であると考えられ、現在世界の様々な研究機関で勢力的に研究が行われている。しかしながら、レプチン抵抗性を標的とした有効な治療薬はいまだほとんど見いだされていない。そこで私達は、小胞体ストレスという点に着目し、レプチンと抵抗性の原因を明らかにし、有効な薬物の探索を行っている。 本研究の検討の結果、小胞体ストレスを惹起させた条件下で、レプチンシグナルであるSTAT 3のリン酸化が抑制され、それはケミカルシャペロン処理により改善されることを見出した。そこで次にそのメカニズム解明のため、レプチン抵抗性関連因子として知られているsuppressors of cytokine signaling 3(SOCS 3)とprotein tyrosine phosphatase 1B(PTP1B)に着目して検討を行った。その結果、小胞体ストレス誘発下において、SOCC 3の発現量には変化はみられなかった。一方で、PTP1Bの活性を阻害することで、小胞体ストレスによるレプチン抵抗性の改善がみられた。以上の結果から、小胞体ストレスによるレプチン抵抗性には、SOCS 3は関与しておらず、PTP1Bが関与していることが示唆された。
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Research Products
(5 results)