2007 Fiscal Year Annual Research Report
腸管関連リンパ組織をターゲットとした新規経口ワクチンデリバリーシステムの創製
Project/Area Number |
19790063
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
三隅 将吾 Kumamoto University, 大学院・医学薬学研究部, 准教授 (40264311)
|
Keywords | 粘膜ワクチン / M細胞 / DDS |
Research Abstract |
本研究で明らかにする目的の一つは、新規経ロワクチンデリバリーシステム(OWDS)により粘膜免疫機構を構成している誘導組織の一つである腸管関連リンパ組織へCCR5をミミックした環状抗原、ENVおよび粘膜アジュバンドを送達させ、個体内で二段階のCCR5およびENV特異的免疫応答(粘膜免疫応答と全身系免疫応答)が誘導できるかである。本年度、実際にアカゲザルを用いて検討を行ったところ、OWDSを介した経口免疫により、ENVに対する分泌型IgAが膣内に有意に誘導されることが判った。さらに、糞便中にもCCR5に対する特異的なIgAが有意に分泌されていることが判った。OWDSの構成因子であるMCTMのこれまでの研究成果から判断すると、本研究においてもMCTMがパイエル板のM細胞を介して抗原をデリバリーしたと考えられる。来年度は、より少量の抗原を用いて的確に粘膜免疫を誘導できるかを再度検討するとともに、平成19年度に我々の研究グループが霊長類において、腸絨毛M細胞を特定したことから、パイエル板M細胞だけでなく腸絨毛M細胞にもワクチン抗原をデイバリーできるMCTMを早急に見いだせればと考えている。また平成19年度の研究により得られたアカゲザル由来のサンプルのin vitroにおける抗SIVmac239効果を検討し、最終的にin vivoで攻撃接種ウイルスの感染を防止できるかを見ることにより、経ロワクチンデリバリーシステムの評価を行いたいと思う。
|